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TORENDIA

映画「マルガ」に現われた動物の闘争

本文約1,700字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

映画「マルガ」に映し出された猛獣や大蛇たちの闘争場面を題材に、動物それぞれの身体構造に基づいた戦い方の特徴やその迫真性を綴る。虎や鰐、大蛇といった野生動物が繰り広げる真剣な生命のやり取りを観察し、人間にはない闘法や自然界における生存の様相を分析する。さらに、ジャングルという厳しい環境下で互いに殺し合う生物たちの姿を通じ、生きることの意味や人間社会の深遠な謎について考察を巡らせる論考である。

寺田寅彦

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🎧 映画「マルガ」に現われた動物の闘争 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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映画「マルガ」の中でいちばんおもしろいと思ったのは猛獣大蛇などの闘争の場面である。

闘争を仕組んだのは人間であろうが、闘争者のほうではほんとうに真剣な生命をかけた闘争をして見せるのであるから、おもしろくないわけには行かないのである。

動物によってそれぞれに武器がちがい、従って闘争の手法がちがうのがおもしろい。虎や豹の闘法は比較的にいちばん人間に似ている。すなわち、かみつく、引っかく、振り飛ばすというのである。ところが、水牛となるとだいぶ人間とは流儀が違う。頭を低くたれて、あの大きな二本の角を振り舞わすところは、ちょっと薙刀でも使っているような趣がある。鋒先の後方へ向いた角では、ちょっと見るとぐあいが悪そうであるが、敵が自分の首筋をねらって来る場合にはかえってこのほうが有利であるかもしれない。

鰐と虎とのけんかも変わっている。両方でかみ合ったままで、ぐるりぐるりと腹を返して体軸のまわりに回転する。鰐が虎をねじっているのか、虎が鰐をねじっているのか見たところではどっちだかわからない。しかし、あのぐるりぐるりと腹を返して引っくり返る無気味さは、やはり、虎よりも鰐の属性にふさわしく思われるものである。

大蛇と鰐との闘争も珍しい見ものであるが、なにぶんにも水の飛沫がはげしくて一度見せられたくらいでは詳細な闘争方法が識別できにくいのが残念である。

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