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TORENDIA

「うどんくい」

本文約2,500字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

食糧事情が変化する中で、国民食のあり方を考察する随筆。栄養不足に陥りやすい家庭の主婦の実態調査の必要性を訴えるほか、代用食として重宝されながらも敬遠される「うどん」を巡る人情の機微を描写する。小学校の女先生たちの間で起きた、うどんの分配をめぐる気まずい出来事をエピソードとして提示し、世相を反映した人間模様や「うどんくい」という表現について綴る。

宮本百合子

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🎧 「うどんくい」 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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いろいろと材料が不足して来ている台所でも、今日の私たちは心持も体もいくらか潤う食事をこしらえてゆくことに骨おしみしてはいまい。

お米が切符になって、昨今あらゆる人々が訴えていた不安や不便はなくなるであろう。でも、お米は副食品とせよという声もきこえていて、切符で配給される米の量がその考えかたに従って計られてゆく傾きだとすると、在来の米の御飯というものへの日本人の気持は根底から変えられてゆかなければならないことともなるのだろう。

今私たちはパンも馬鈴薯もさつまいもも買えずにいるから、米を副食としてときくと、では主食品はどんな風に手に入れられるのだろうという、ぼんやりした当惑も感じるのである。

昔ながらの意味で米に執着する習慣は、この頃の現実で次第に変って来ているのだけれど、現在、米を副食として、という声が私たちの心によびさます反響は、新しい主食となり得るのは何で、それは何処にどんなにして在るのだろうという思いなのである。

『婦人之友』三月号が、国民食をつくり出してゆく基礎として食べもの調査を発表しているのは参考になった。工場に働いている男女、会社員、職業婦人、学生、農家、商家それぞれの献立と、今たべたいものを統計して示している。甘いものと天ぷらが食べたいものの圧倒的多数を占めている事実も、私たちの実感に通じている。

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