狐のつかい
本文約820字 ・ 読了時間 約2分
あらすじ(AIが作成しました)
山に住む動物たちは、夜のあんどんの油を切らし、村へ買い出しに行く必要に迫られる。猟師と犬を恐れる仲間たちの中で、人間の子どもに化けられる狐が使いに指名される。無事に村で油を手に入れた狐だが、帰路でそのあまりの美味しさに誘惑され、山に着くまでに我慢できず少しずつ舐めてしまう。山へ戻ったときには中身が空になったとくりだけが残っており、期待していた猿や鹿たちは途方に暮れる。
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山のなかに、猿や鹿や狼や狐などがいっしょにすんでおりました。
みんなはひとつのあんどんをもっていました。紙ではった四角な小さいあんどんでありました。
夜がくると、みんなはこのあんどんに灯をともしたのでありました。
あるひの夕方、みんなはあんどんの油がもうなくなっていることに気がつきました。
そこでだれかが、村の油屋まで油を買いにゆかねばなりません。さてだれがいったものでしょう。
みんなは村にゆくことがすきではありませんでした。村にはみんなのきらいな猟師と犬がいたからであります。
「それではわたしがいきましょう」
とそのときいったものがありました。狐です。狐は人間の子どもにばけることができたからでありました。
そこで、狐のつかいときまりました。やれやれとんだことになりました。
さて狐は、うまく人間の子どもにばけて、しりきれぞうりを、ひたひたとひきずりながら、村へゆきました。そして、しゅびよく油を一合かいました。
かえりに狐が、月夜のなたねばたけのなかを歩いていますと、たいへんよいにおいがします。気がついてみれば、それは買ってきた油のにおいでありました。
「すこしぐらいは、よいだろう。」
といって、狐はぺろりと油をなめました。これはまたなんというおいしいものでしょう。
狐はしばらくすると、またがまんができなくなりました。
「すこしぐらいはよいだろう。わたしの舌は大きくない。」
といって、またぺろりとなめました。
しばらくしてまたぺろり。
狐の舌は小さいので、ぺろりとなめてもわずかなことです。しかし、ぺろりぺろりがなんどもかさなれば、一合の油もなくなってしまいます。
こうして、山につくまでに、狐は油をすっかりなめてしまい、もってかえったのは、からのとくりだけでした。
待っていた鹿や猿や狼は、からのとくりをみてためいきをつきました。これでは、こんやはあんどんがともりません。みんなは、がっかりして思いました、
「さてさて。狐をつかいにやるのじゃなかった。」
と。
完