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TORENDIA

雉子日記

本文約7,700字 ・ 読了時間 約16分

あらすじ(AIが作成しました)

冬の軽井沢を訪れた語り手は、雪に覆われた山村で穏やかな日々を過ごす。追分での滞在中に友人の英夫と散策し、弱った一羽の雉子を捕獲する体験などを通じて、寒村での生活や自身の内省を綴る。また、リルケが晩年を過ごしたミュゾットの館に関する知識や訂正を補足として収め、詩人の足跡と自身の思索を重ね合わせながら、静かな冬の山麓における日常と読書の時間を描く。

堀辰雄

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雉子日記

一

去年の暮にすこし本なんぞを買込みに二三日上京したが、すぐ元日にこちらに引っ返して来た。汽車がひどく混んで、私はスキイの連中や、犬なんぞと一しょに貨物車に乗せられてきたが、嫌いなスティムの通っていないだけでも、少し寒くはあったが、この方がよっぽど気持が好いと思った。

すっかり雪に埋もれた軽井沢に着いた時分には、もう日もとっぷりと暮れて、山寄りの町の方には灯かげも乏しく、いかにも寥しい。そんななかに、ずっと東側の山ぶところに、一軒だけ、あかりのきらきらしている建物が見える。あいつだな、と思わず私は独り合点をして、それをなつかしそうに眺めやった。

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