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TORENDIA

物理学実験の教授について

本文約4,700字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

中等教育における物理実験の指導法を論じる。教科書の方則が理想化された抽象概念であることを理解させ、実験中に生じる様々な困難や誤差を生徒自身が観察・分析し克服する過程が重要であると説く。教員は手品のような見せかけの成功を避けて生徒の自発的研究心と正直な観察態度を養い、予期せぬ結果にも共に誠実に向き合うべきだと主張する。物理学の真の価値を伝え、生徒の科学的思考を育てるための理想的な教育のあり方を綴る。

寺田寅彦

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🎧 物理学実験の教授について / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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理化学の進歩が国運の発展に緊要であるという事は永い間一部の識者によって唱えられていたが、時機の熟せなかったため一向に世間には顧みられなかった。欧洲の大戦が爆発して以来は却って世間一般特に実業者の側で痛切にこの必要を感ずるようになったと見え、公私各種の理化学的研究所が続々設立されるようになった。それと同時に文部省でも特に中等教育における理化学教授に重きをおかれるようになって、単に教科書の講義を授くるのみならず、生徒自身に各種の実験を行わせる事になり、このために若干の補助費を支出する事になった。これは非常によい企てである。どうかこのせっかくの企てを出来るだけ有効に遂行したいものである。

自分は中等教育というものについては自分でこれを受けて来たという以外になんらの経験もないものであるが、ただ年来大学その他専門学校で物理実験を授けて来た狭い経験から割出して自分だけの希望を述べてみたいと思う。勿論我田引水的のところもあろうが、ただこれも一つ参考として教育者の方々に見て頂けば大幸である。

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