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TORENDIA

物理学の応用について

本文約3,200字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

物理学が基礎科学として多岐にわたる分野で応用可能であることを論じる。日常生活から工業、医学、航空術、そして農業や水産漁業に至るまで、物理学的な研究手法が産業の発展に不可欠であることを具体例と共に提示する。また、実際の問題に応用する際の分析の重要性や、理論と実際が乖離した際に生じる誤解について考察し、基礎科学を重んじる姿勢と、新たな応用領域を長期的視野で開拓することの意義を説く。

寺田寅彦

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🎧 物理学の応用について / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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物理学は基礎科学の一つであるからその応用の広いのは怪しむに足らぬ。生命とか精神とかいうものを除いたいわゆる物質を取扱って何事かしようという時にはすぐに物理学的の問題に逢着する。吾人が日常坐臥の間に行っている事でも細かに観察してみると、面白い物理学応用の実例はいくらでもある。ただそれらは習慣のためにほとんど常識的になっているので、それと気が付かないだけである。例えば台所における物理学の応用だけでも、一々列挙すれば一冊の書物が出来ようと思う。

純粋な科学の各種の方面でも物理学を応用しあるいは物理学の研究方法を転用する事が盛んになる。天文、気象、地質、海洋等に関する自然科学研究に物理学応用の発達して行くのはむしろ当然の事であろうが、普通の意味における物質とはよほど縁の遠い生理学や心理学にまでもだんだん応用が開けて行くようである。

工業における応用も事新しく述べるまでもない事である。ドイツの工業が著しい長足の進歩をしたのは、その基礎となるべき物理学、化学の研究に帰因するという事は識者の認めている所である。また医学の方でも物理的療法という言葉が出来て、その方の専門家もあるくらいである。また近年目ざましい進歩をしたいわゆる航空術などもやはり応用物理学の一つと云って差支えはあるまい。

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