本文へ移動
TORENDIA

画期的な企て

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

三百年前に西洋の混乱を予言したデカルトの思想を、平易な日本語で移し植えようとする翻訳者たちの試みを、画期的な企てとして讃える岸田國士の一文。

岸田國士

速度
🎧 画期的な企て / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

哲学者としてのデカルトについて私はなんら語る資格はない。しかし、広い意味のフランス古典としてのデカルトの著作は、今まさにわが国に正しく移し植ゑらるべき時機であると思ふ。デカルトがその時代に探り得たものは、われわれが新しい東洋の文化について考へるうへでの貴重な資料とみることができ、三百年前に、西洋の発展と混乱とを既に予言した彼の思想はこれこそ現代に生きる最も健全且つ進歩的な思想だと云へないことはない。

とにかく、日本語で哲学するといふことは常人には厄介千万なことのやうに思はれてゐるが、それは多くの日本の哲学者の罪である。さういふ点で、今度のデカルトの翻訳者たちは、いづれも日常の言葉と専門語との距離をできるだけ近づける才能と工夫に富んだ人々であることが、この企てを画期的なものにしてゐると思ふ。

完

岸田國士の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本