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TORENDIA

むぐらの吐息

本文約4,500字 ・ 読了時間 約9分

あらすじ(AIが作成しました)

東京日日新聞主催の座談会にて復興局長官より国立劇場建設計画の消滅が語られる。この事態を受け、劇作家である筆者は自身の理想とする劇場論を展開する。高級演劇を追求する小劇場と、安価に誰もが鑑賞できる大劇場という二段構えの組織を提唱し、商業主義に偏らない正しい芸術のあり方と、俳優や観客が真に豊かになれる劇場空間の構築を模索する。

長谷川時雨

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🎧 むぐらの吐息 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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十二月廿五日夜、東京日日新聞主催の「大東京座談會」の席上で、復興の途上にある大東京は、最初の豫算三十億の時から十億に削られた時まで、一千萬圓の國立劇場建築費が保存されてあつたが、終に最後の七億になつて消滅してしまつたといふことを、復興局長官の堀切善次郎氏によつて語られた。

讀もの中心の座談會では、もとより長講を誰しもが愼しんで避けてゐる。と共にあまり專門的な質問で時間を逸し、面白くない記事をよぎなくする事も失禮である。で、ぐつと安く――三十錢位で見せてもらはなければ、國立劇場が出來ても仕樣がない、とあたしは言つた。堀切氏も同感だといはれ、尾佐竹猛氏は、一體國立劇場といふのは無代で見せるものではないかと言はれた。

國立劇場といふものが無代のものかどうかを知らないあたしは、各國の國立劇場がどういふ組織のものか――寡聞なあたしはこんな時小山内氏に聞くのだが、悲しくも恰度其日その夜、本紙十月號記載上田文子氏の「晩春騷夜」上演記念の會で發病逝去されてしまつた――無代ならば大變結構なことと思つた。だが、さて、その無代といふことについて考へさせられた。

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