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TORENDIA

デンマークのビール

本文約1,200字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

カナダからロンドン、パリへと渡る道中で味わった食事や飲み物についての体験を綴る。飛行場のべーコンやイギリスの豊かな食文化、配給制度の苦労に触れつつ、各国のビールを飲み歩いた感想を記す。特にデンマークのビールの優れた味に感銘を受け、新鮮さや容器の大きさに対する自身の持論を展開し、各国のビール事情を比較検討する。著者自身の食に対する鋭い観察眼とこだわりを、旅先での見聞を通じて具体的に描き出している。

北大路魯山人

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🎧 デンマークのビール / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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小島政二郎君

ロンドンに向かう途中、カナダのグース・ベイ飛行場にて、天候回復を待つこと十二時間。

われわれ乗客のために、朝食に出たべーコンはうまかった。アメリカ、イギリス、フランス各国で口にしたべーコンのうち最上の味でした。

五月四日午前一時ロンドン着。三日間滞在。

イギリスの耐乏生活は日本のそれとは比較になりません。豊かな、羨望したいくらいのものです。なるほど、イギリス人は、見たところも実感も質素ですが、それはイギリス人にとってそうなので、日本人の目から見れば、羨ましいくらいの生活です。ハイド・パークの近所にあるデパートの商品などを例にとってみても、立派なものばかりです。

ロンドン子の歩き方の早いこと。活動性に満ちあふれています。

今までイギリスは食べ物のまずい国とされていましたが、聞くと見るとでは大違い。さすが古い国柄だけあって、アメリカなどとは比較にならないくらい格式があり、なにかにつけて行き届いていて、味も優れています。

ロンドンに着いたら、なにはおいてもビーフステーキを試食するのを楽しみにしていましたが、残念なことに、ここではまだ肉が配給制度なので思うにまかせず、まだこの念願は叶えられずにいます。僕がロンドンを去ってから間もなく、統制が解除されたそうで、もう一ぺんロンドンへ引き返そうかと考えています。

ビール好きの僕、相変わらず毎日ビールを飲んでいますが、日本を離れていちばんうまかったのは、ニューヨークのロシア料理店で出された「チュボルク」というデンマークのビールでした。このビールはコクがあって、日本のどのビールよりもうまいのはもちろん、アメリカ、イギリス、ドイツ、チェコスロバキア、フランスのビールよりもうまい。アメリカのシュリッツというビールも、日本のキリンよりうまい。

アメリカに来ている日本のビールは、かん詰のアメリカビール程度にまずい。ここにおいて、ビールもまた新鮮を尊ぶことを知りました。アメリカで飲んだドイツビールは、評判ほど、うまくありませんでした。

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