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TORENDIA

福沢諭吉

本文約6,400字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

慶応二年に出版された『西洋事情』初篇は、西洋の政治や地理を紹介し、当時の知識層や大衆から驚異的な部数を記録する。著者の福沢諭吉は、幕末の政情下で翻訳職人として無関心を装いつつ、自由主義的な思想を秘めながら多種多様な書物を世に送り出した。慶応義塾を拠点に活動する彼は、幕末期には政治的孤立を感じるインテリであったが、維新後に至ってようやく文明開化の旗手として新たな役割を担い、新時代における学問の普及と人材育成に邁進する。

服部之総

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一 著述家

慶応二年丙寅初冬付『西洋事情』初篇は出版後一年間の売捌高だけで、正版偽版とりまぜ十万部の上にのぼった。福沢諭吉生誕百年祭を祝うきょうび、日本の出版屋にとって涎の垂れる記録である。同書二篇(明治二年)で紹介されたウェーランド『経済要論』はこの年までにアメリカで二十数版を重ねた教科書だが、その二十数版の総部数はわずか五万、その五万を捌いた年月は三十年にわたっている。当年日本のプブリクムは、『西洋事情』の部数によれば、国際的に見ても驚異的な比率であろう。

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