はたらく二少年
本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分
あらすじ(AIが作成しました)
建設中の新しい道路で働く二人の少年、KとNは、休息の合間にそれぞれの幼少期の記憶を語り合う。親を亡くし、孤独の中で見知らぬ人からの温かな慈しみに救われた思い出を分かち合う二人。過酷な過去を背負いながらも、支え合う未来を見出した彼らは、再びシャベルを手に取り、力強く労働の現場へと戻っていく。本作は、境遇の似た少年たちの交流を通じて、厳しい現実の中でも希望を持ち生き抜く意志を描く。
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新しい道が、つくりかけられていました。おかをくずし、林をきりひらき、町の中を通って、その先は、はるかかなたの、すみわたる空の中へのびています。そこには、おおぜいの労働者が、はたらいていました。
トロッコが、ほそいレールの上を走りました。道ばたには、大きな土管がころがり、くだいた石や、小じゃりなどが、うずたかくつまれていました。
はたらくものの中には、年をとったものもいれば、まだわかいものもいました。かれらはシャベルでほった土をトロッコへなげこんだり、つるはしをかたい地面にうちこんで、溝をつくったりしました。こうして、しごとをする間は、たがいに口をきかなかったけれど、自分をなぐさめるために、無心で歌をうたうものもありました。
やがて正午になると、近くの工場から、汽笛がきこえます。すると一同は手を休めて、昼飯を食べる用意をしました。それからの一時間は、はたらく人々にとって、なによりたのしかったのでした。
二人の少年は、石へこしかけて、秋の近づいた空をながめていました。
「そんなら、Kくんは小さいときに、家を出たんだね。」と、Nがいいました。
「そう、母親がなくなると、父親はちっともぼくたちをかまってくれなかったから、どこかへいけば、母親のかわりに、やさしくしてくれる人があろうかと思ってね。」と、Kが答えました。Nはうなずきながら、
「わたしは、ちょうどきみとははんたいで、父親の顔をおぼえていない。まったく母親の手一つで、大きくなったのさ。その母の手だすけもできぬうちに、母は死んでしまった。」
「考えると、二人とも不幸だったんだね。」
「世の中には、両親がそろって、こんな悲しみを知らないものもあるんだが。」と、Nはたばこに火をつけました。
「それでもまだきみには、やさしいおかあさんがあったからいい。さびしいときは、いつでもおもかげを思いだして、自分をなぐさめることもできるから。」といって、Kは自分の子どものころのことを話したのでした。