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TORENDIA

〔編輯雑記〕

本文約500字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

銀座通りでの夜明かしから始まった雑誌「金と銀」の発刊に寄せて、執筆の喜びや刊行への熱い想いを綴る。かつて仲間と抱いた夢を回想しつつ、新しい雑誌の創刊を「永遠の自由の国」の発見と捉える。装飾こそ未完成であれ、心を通わせた仲間と共に独自の楽園を築き、互いに理解し合える理想の空間を創造していく過程への期待と決意を示す。

牧野信一

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🎧 〔編輯雑記〕 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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△銀座通りで夜更迄話した、「雑誌をやらう」と、それでも足りないで家へ帰つて夜明しなどした。五年も前の話である、鈴木と二人で、春の夜だつた。感傷的な事を云ふやうだが、今度「金と銀」が四月に出る、沈丁花の香りを窓にしながら私はこれを書く、つまらない因念だが、それも自分の悦びの一つだ。

△あの頃なら自分は全部を投げて、雑誌の仕事に従事する事が出来た、今は、この他になさなければならない沢山な仕事を持つてゐる、この愉快な仕事に全部を挙げる事の出来ない身を嘆く、浜野や鈴木を寧ろ羨む。然し自分はそれだけに「金と銀」を思つてゐるのだ。自分は「永遠の自由の国」を発見したやうに喜むでゐる。社友の方にも屹度自分と仝じやうな考へを持つて下さると信ずる。新しく集つたものと云へ私達は皆な仝じ人なのだ。心と心の国が開けたのだ。縦令その国の装飾が貧弱であつても、私達は自分の世界を発見したのだから、その喜びは極みない、日を追ふて草木も植えやう、池も作らう、花園に花も咲かせやう、皆で一処になつて――さうして自分達で作つた自分達の楽園で永遠の悦びに浸らう、そこでは、いくら歌つても誰一人とがめない、互に真の理解を持ち合つてゆかう。

完

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