三つのかぎ
本文約5,000字 ・ 読了時間 約10分
あらすじ(AIが作成しました)
金色の鳥を追う青年、城跡で鍵を拾った若者、海岸で鍵を拾った男が、それぞれ同じ金色の鍵を手にする。三人は学者の助言で博物館にある黄金の箱を開けるが、中には三百年前に尼となった姫の古い文言のみが記されていた。本作は、三人の男が巡り会った奇妙な鍵と、時代を超えて残された姫の願いをめぐる物語を描く。
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一
ある青年は、毎日のように、空を高く、金色の鳥が飛んでゆくのをながめました。彼は、それを普通の鳥とは思いませんでした。なにか自分にとって、いいことのある使いであろうというように思ったので、その鳥の行方を探そうとしました。どこかに巣があるにちがいない。その巣を探し出さなければ帰ってこないと決心をして、家を出かけたのであります。なんでも、金色の鳥は、晩方になるとあちらの山の方へ帰ってゆきましたから、青年は、その山の方へとゆき、高い山を上ってまいりました。すると、山から一人の猟師が鉄砲をかついで、胸にぴかぴか光るものを下げて降りてきました。
青年は、不思議なものを見たものだ。なぜなら、そのぴかぴかする光は、大空をはるかに飛んでいった鳥の光に、よく似ていると思ったからでした。
「この山へ登る道は、まだよほどけわしいのですか……。そして、鳥のすんでいるような森がありますか?」といって、青年は猟師にききました。猟師は、目をみはって、
「あなたは、なんでこの山へ上りなさるのか……。」と、問い返しましたから、青年は、金色の鳥の巣をたずねてきたものだと答えました。
「その鳥というのは、私が、今日山で打ち落としたこのわしだ。わしの足に、ぴかぴか光るかぎがついていたのだ。そのかぎというのは、私の胸にぶらさがっているこのかぎじゃ。」といいました。
なるほど、猟師は脊に大きな灰色をしたわしを負っていました。青年は、毎日のように大空を高く飛んでいった鳥は、このわしであったかと思いました。それよりは猟師の胸にぶらさがっているかぎがたまらなく欲しくなりました。このかぎがあったら、なにか大きな幸運が自分のために開かれはしないかという感じがしたからであります。
「私に、そのぴかぴか光るかぎを譲ってくださいませんか。」と、青年は、猟師に頼みました。
猟師は考えていましたが、
「おまえさんは、この光ったものが欲しいばかりに、この山へ上ってきなされたのだから、このかぎをあげましょう。私は、このわしがほしいばかりに打ったのだから、もともとこんなものは必要がない……。」といって、胸にぶらさげていたかぎを取って、青年にくれました。