白い雲
本文約7,700字 ・ 読了時間 約16分
あらすじ(AIが作成しました)
敏ちゃんは、友人たちと砂鉄集めや磁石遊びに夢中になっている。ラジオ屋で磁石を強力にしてもらった彼は、ある日、西山の誘いで仲間とともに川の工事現場へ鉱石を探しに出かける。そこでトロッコの脱線事故に遭遇し、作業員たちが協力して復旧させる様子を目の当たりにする。帰路、空には白い雲が広がり、子供たちは夏の一日の遊びを振り返りながらそれぞれの家路へと向かう。
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一
みんなは、なにかすてきに、おもしろいことがないかと、思っているのです。敏ちゃんも、もとより、その一人でありました。往来で、義ちゃんや、武ちゃんや、かつ子さんたちが、集まって、なにか見て笑っています。
「なんだろう?」と、敏ちゃんは、走ってゆきました。
義ちゃんが、真っ黒な砂鉄を紙の上にのせて、両手で持っていると、武ちゃんが、磁石で、紙の裏を摩っています。すると、砂鉄がむくむくと虫のはうように、磁石のいく方について動くのでした。
「おもしろいのね。」
「不思議だろう。」と、武ちゃんが、自分もそれに見とれて頭を傾けていました。
「僕、たくさん砂鉄を取ったのだけれど、洗ったら、これんばかしになったのだよ。」
義ちゃんは、砂鉄の入っているびんをポケットから出して、見せていました。
これを見ると敏ちゃんは、にやりと笑いました。自分も大きな磁石を家に持っていると思ったからです。それは、いつかお隣の兄さんから、もらったものです。もう赤く塗ったところがだいぶはげていたけれど、もとは、いい磁石だったのです。
明くる日、敏ちゃんは、学校へいくと、休みの時間に、運動場の砂場で、小山といっしょに砂鉄を取るのに夢中になっていました。小山の磁石は、敏ちゃんのより、形は小さいけれど、赤いところも全部ついていて、吸いつける力は強かったのでした。敏ちゃんの磁石は、大きいけれど力が弱かったのです。
「君、どれだけ?」と、敏ちゃんは、砂鉄を取るのに、負けるような気がして、きくと、小山は、
「まだ、こればかしさ。」といって、しわくちゃになった、どろだらけの紙を開いて見せました。
「たくさん取れたね。僕の磁石は、だめだ。」と、敏ちゃんは、自分の磁石が、ただ大きいばかりだというのが、なんとなく歯がゆくなりました。
「それに、電気をかけると強くなるのだぜ。」と、小山が教えました。
「電気?」