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TORENDIA

獄中通信

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

投獄された哲学者が、離れて暮らす長女・嵐子をはじめとする家族に宛てた書簡を収める。筆者は獄中での仏教研究や読書状況、健康管理について綴るとともに、進学や将来の自立を控えた長女への学業上の助言を行う。東京から長野への疎開後も、四季の移ろいや日々の生活の様子、家庭の安否を気遣う内容を書き送り、家族との絆を確認しながら過酷な環境下での精神的な平穏を保とうとする姿が浮かび上がる。

戸坂潤

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🎧 獄中通信 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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戸坂嵐子殿(十九年十二月十二日朝)

八日に手紙六通(老人3嵐子2イク子1)入手、進学の件など明らかとなり安心。――昭和の高等学院が第二次なら第三次を何でもよいから一つ選べ、もし第三次なら第二次に然るべきものがあったら出すこと。日本女大必ずしも毛ぎらいすべからず。

明大の女専には文科はないか(庸之君にでも聞くこと)。東女大の平野智治夫人其他の諸夫人、日女大の菅支那子夫人などをキオクすべし。――明星で東女大に競争がないと赤井さんの云ったというのは本当か?――海へ、仮名を読本にある通り正確に、又漢字は間違わぬよう、自分で読み直す習慣を厳重に申し送るべし。――面会は警報等の関係もあり、あまり月末におしつまるとチャンスを失う恐れあり。――次のアドレス一目瞭然たるように知らせてほしい。大阪、松井、函館、伊藤長夫自宅。なお大阪、川崎、松井、函館には僕の現住所を知らせておくこと必要。寒さ加わるが大分身体はなれて来た。正月には早めに葉書を出そう。海達を見て来たら手紙でイサイ報告のこと。

戸坂嵐子殿外御一同(昭和二十年一月八日朝)

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