妖人ゴング
本文約75,400字 ・ 読了時間 約151分
あらすじ(AIが作成しました)
明智小五郎の姪である花崎マユミが、少年探偵団の顧問として迎えられる。一方、銀座で謎のサーチライトが銀行を照らし、隅田川では正体不明のブイが揺れるなど奇妙な事件が続発する。小林少年が二十面相にさらわれる危機を乗り越え、明智探偵の指揮のもと、少年探偵団とチンピラ隊が連携して二十面相の計画を阻止していく様子を描く。
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おねえさま
空には一点の雲もなく、さんさんとかがやく太陽に照らされて、ひろい原っぱからは、ゆらゆらと、かげろうがたちのぼっていました。
その原っぱのまんなかに、十二―三人の小学校五―六年生から、中学一―二年ぐらいの少年たちが集まっていました。その中にたったひとり、女の子がまじっていたのです。女の子といっても、もう高等学校を出た美しいおじょうさんです。えびちゃ色のワンピースを着て、にこにこ笑っています。少年たちの先生にしては、まだ若すぎますし、お友だちにしては、大きすぎるのです。
そのおじょうさんのそばに、少年探偵団の団長の小林君が立っていました。そして、みんなに、なにかしゃべっているのです。
「きょう、団員諸君に、ここへ集まってもらったのは、ぼくのおねえさまを、しょうかいするためだよ。」
そこにいる少年たちは、みんな少年探偵団の団員だったのです。少年たちはぐるっと輪になって、美しいおじょうさんと、小林団長をとりかこみ、好奇心に目をかがやかせながら、団長の話を聞いています。
「おねえさまといっても、ほんとうのおねえさまじゃないよ。明智先生の新しいお弟子なんだよ。つまり、えーと、少女助手だよ。」
そういって、小林君は、ちょっと、顔を赤くして頭をかくまねをしました。
「ぼくは先生の少年助手だろう。だから、マユミさんは少女助手といってもいいだろう? 花崎マユミさんって、いうんだよ。」
すると美しいおじょうさんがニッコリ笑って、みんなに、ちょっと頭をさげてあいさつしました。
「マユミさんは明智先生のめいなんだよ。先生のおくさんのねえさんの子どもなんだよ……。」
マユミさんは、それをひきとって、
「なんだか、いいにくそうね。わたしが説明するわ。明智先生は、わたしのおじさまなのよ。ですから、わたし、小さいときから探偵がすきだったのです。それで、こんど高等学校を卒業したので、大学へはいるのをやめて、先生の助手にしていただいたの。おとうさまやおかあさまも賛成してくださったわ。そういうわけで、わたし、小林君のおねえさまみたいになったの。みなさんもよろしくね。」
「じゃあ、ぼくたちにも、おねえさまだねえ!」