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TORENDIA

理想的団体生活

本文約7,300字 ・ 読了時間 約15分

あらすじ(AIが作成しました)

苔虫類は、池や湖などの水中に多数の個体が集まり、一つの団体を形成して生活する。個体間は身体的に連結し、血液や神経も共有しているため、互いに争うことなく力を合わせて全団体の維持繁栄のために働く。私有財産や階級制度も存在せず、各個体が公平に働き報酬を得るその姿は、人間社会の理想と言える。本書は、人間の道徳や宗教のあり方を比較の対象としつつ、この類稀な団体生活の実態とその意義を論じる。

丘浅次郎

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🎧 理想的団体生活 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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われわれのつねに見慣れている陸上の動物は、犬でも猫でも、鳥でも、雀でもみな一匹ずつ相離れて、おのおの独立の生活をしているゆえ、動物とさえいえば、すべて単独の生活をなすものであるごとき感じが起こるが、広く動物界を調べて見ると、多数相集まって団体を造って生活している種類も決して少なくはない。特に海中に棲む動物には団体生活を営むものがすこぶる多い、また池沼などの淡水中に棲む動物にもいくらかかような例がある。かような動物の生活状態を詳かに観察してみると、普通の単独生活をなす動物とは全く相異なり、多数が力をあわせて誠実に全団体の維持繁栄のために働いているありさまは、実に理想的と称すべきほどで、われわれ人間のごとき不完全な団体生活をなす者から真にうらやましく思われるものがあるゆえ、ここにその生活状態の一斑を紹介してみよう。

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