TRENDIA CLASSIC

紅梅月毛

山本周五郎

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慶長十年二月はじめの或る日、伊勢のくに桑名城のあるじ本多中務大輔忠勝の家中で、馬術に堪能といわれる者ばかり十六人が城へ呼ばれた。深谷半之丞もそのひとりだった、かれが登城して遠侍の間へはいると、そこにはもう殆んどみんな集って、さかんに馬のはなしをしているところだった、それでかれはいつものように片隅へ坐って、黙って人々のはなしを聴いていた。

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