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TORENDIA

紅梅月毛

本文約15,900字 ・ 読了時間 約32分

あらすじ(AIが作成しました)

慶長十年、桑名城主・本多忠勝は将軍家の大切な祝儀に向け、伏見城の馬競べへ家臣を一人派遣することに決める。入札の結果、馬術に堪能な深谷半之丞が選ばれた。半之丞はかつて関ヶ原の合戦で行方不明になった名馬・紅梅月毛との再会を果たし、老いたその馬を競べ馬に出場させようと画策する。家臣や周辺の人々を巻き込みながら、主従の情愛と名馬への追憶、そして祝宴を巡る緊迫した時代の空気を描く。

山本周五郎

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一

慶長十年二月はじめの或る日、伊勢のくに桑名城のあるじ本多中務大輔忠勝の家中で、馬術に堪能といわれる者ばかり十六人が城へ呼ばれた。深谷半之丞もそのひとりだった、かれが登城して遠侍の間へはいると、そこにはもう殆んどみんな集って、さかんに馬のはなしをしているところだった、それでかれはいつものように片隅へ坐って、黙って人々のはなしを聴いていた。

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