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TORENDIA

年齢について

本文約370字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

実際より十歳以上老けて見られ続けてきた自身の体験を交えながら、自分が何歳であるかなど気にしないと飄々と語る山本周五郎のエッセイ。

山本周五郎

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🎧 年齢について / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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ちかごろ、批評家やまわりの友人たちが、しきりに私の年齢のことをあげつらう。私自身はとしのことなど考えたためしはない。およそ三十歳のころから、つねに十歳以上も老けてみえたらしく、特に女性たちはいつも、私の本当の年齢よりは十歳は多く「見当」をつけるのであった。数年まえのことだが、越前の山中温泉へ取材旅行にいったとき、優雅なる女性の一人が私のことを「七十三か四でしょう」と見当をつけた。次ぎに粟津でその話しをしたところ、やはり優雅なる女性の一人が、「それはあんまりお可哀そうよ、どう見たって六十七か八だわ」と云った。有難う、たいへん有難う、と私は答えた。私はいま自分が何歳であるかを知らない、また知りたいとも思わない。人が七十歳だと云うなら七十歳、六十歳だと云ったら六十歳、それでなんのさしつかえもないのである。

「小説新潮」(昭和四十年三月)

完

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