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TORENDIA

おいしいおかゆ

本文約900字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

貧しい少女は森で出会った不思議なおばあさんから、言葉一つで美味しい黍のおかゆを作る魔法の鍋を授かる。親子は日々の飢えから救われるが、留守中に母親が鍋を動かしたことで異変が起こる。止まらなくなった鍋から溢れ出したおかゆは家を越えて町中に広がり、道路をも飲み込む勢いで溢れ続ける。やがて帰宅した少女が鍋を止める言葉を告げるまで、世界を巻き込む大騒動の行方を描く物語。

ヤーコップ、ウィルヘルム・グリム Jacob u. Wilhelm Grimm

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🎧 おいしいおかゆ / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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むかし昔、あるところにびんぼうな信心ぶかい少女がありました。少女はおかあさんと二人ぎりでくらしていましたが、食べるものがもうなんにもありません。それで、少女は、(野いちごでもさがすつもりでしょうか、)郊外の森へ行きました。森の中で少女にであったのは、見たことのないおばあさんです。このおばあさんは少女の心配をちゃんと承知していて、少女に、つぼふかいお鍋を一つやりました。このお鍋は、少女が、「おなべや、ぐつぐつ!」と言うと、上等のおいしい黍のおかゆをぐつぐつこしらえます、それから、「おなべや、おしまい!」と言うと、おかゆをこしらえるのをやめるのです。

少女はこのお鍋をおかあさんのとこへ持ってかえりました。それからは、親子ふたりとも、貧乏やひもじいことと縁きりになり、食べたい時には、いつなんどきでも、おいしいおかゆを食べていました。

ある日、少女の留守に、おかあさんが、

「おなべや、ぐつぐつ!」と言ってみると、お鍋は、おかゆをこしらえてくれました。おかあさんは、おなかいっぱい食べたので、こんどは、お鍋にぐつぐつをやめてもらおうと思いました。けれども、なんと言ったらいいのか、わかりません。

それですから、お鍋は、いつまでもいつまでも、ぐつぐつ、ぐつぐつ煮えています。おかゆがお鍋のふちからあふれてきても、お鍋は、やっぱり、ぐつぐつ、ぐつぐついっています。そのうちに台所じゅうがおかゆでいっぱいになり、家じゅうがおかゆでいっぱいになり、おとなりの家がおかゆでいっぱいになり、それから、往来がおかゆでうずまり、まるで、世界じゅうの人たちにおなかいっぱい食べさせなくては承知できないとでもいうふうでした。

どうもたいへんなことになったものですが、さてどうしたらいいか、どこのだれにもわからないのです。やっとのことで、それでもまだ、おかゆのおしこんでこない家が、たった一軒のこっていたときに、少女がもどってきて、たった一言、

「おなべや、おしまい!」と言いましたら、お鍋はぐつぐついわなくなりました。でも、この町へかえってこようとするものは、ぱくぱく、ぱくぱく、自分の通り路を食べあけなければなりませんでした。

完

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