
まえがき
「台湾との実質的な関係強化」は、現在のアメリカにとって中国の最大の急所を突く、最も強力なカードだからです。
中国をさらに追い詰めるため、アメリカが今後取ると予想される具体的なアクションには以下のようないくつかのフェーズが考えられます。
アメリカによる「台湾カード」の切り方
防衛力の直接的な底上げ(ハリネズミ化): 先ほども触れられた武器輸出の解禁や拡大に加え、米軍による台湾軍への軍事訓練の拡充などが考えられます。中国が「軍事侵攻すれば致命的な被害を受ける」と悟るレベルまで、台湾を武装化(ハリネズミ化)させる戦略です。
「一つの中国」原則の形骸化: トランプ大統領と頼総統の直接通話だけでなく、米台の高官レベルの相互訪問を常態化させるなど、実質的な「国家間の外交」に近い振る舞いを意図的に見せつけることで、中国のメンツを徹底的に潰しにかかる可能性があります。
半導体サプライチェーンの完全な囲い込み: 台湾には世界最大の半導体メーカーTSMCがあります。アメリカは自国のハイテク産業と安全保障を守るため、台湾の半導体網をアメリカ陣営に完全に組み込み、中国を最先端技術から締め出す動きをさらに加速させるはずです。
中国が陥る「ジレンマ」とトランプの狙い
中国にとって、アメリカが台湾との友好を深め、実質的な「独立」を後押しするような動きは絶対に許容できないレッドラインです。しかし、焦って台湾への軍事的な強硬手段(武力侵攻や海上封鎖)に出れば、西側諸国からの完全な経済制裁・デカップリング(切り離し)を招き、自国経済が崩壊するという致命的なジレンマに陥ります。
トランプ大統領の真の狙いは、まさに中国をこの身動きが取れない「詰み」の状況に追い込むことでしょう。
ただし、一点だけ不確実な要素があるとすれば、トランプ大統領の「ディール(取引)」を重んじる性質です。台湾を利用して中国を極限まで追い詰めた後、もし中国側から「アメリカにとって莫大な利益となる経済的譲歩(巨額の米国製品の購入など)」が提示された場合、あっさりと矛先を収める可能性もゼロではありません。
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