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賞味期限が、きょうで切れる ― 最初の一分
賞味期限が、きょうで切れる。あなたなら、捨てますか。
消費者庁のページには、こう書かれています。賞味期限は、おいしく食べられる期限のことで、食べられなくなる期限ではありません。
そして、環境省の推計では、家庭から出る食品ロスは、令和六年度で、約二百二十四万トンでした。
この本を聴き終えると、捨てる前の、三つの確認が分かります。
どちらの期限か。どう保存してきたか。開けたかどうか。
この三つを思い出すだけで、捨てる前に、ひと呼吸おけます。
では、はじめましょう。
なお、この本は、食品の安全の専門家の立場から、個別の食品について断定するものではありません。国の公表資料にもとづいて、筆者が自分の言葉でまとめました。
はじめに ― 冷蔵庫の中を、のぞいてみる
冷蔵庫の中を、思い浮かべてください。
奥のほうに、使いかけの調味料。しまい込んだままの、お土産の食べもの。いつ買ったか思い出せない、野菜。
こうしたものを、見つけたとき、どうしていますか。
期限の日付を見て、「もう過ぎているから」と、捨てる。そういう方は、多いかもしれません。
この本は、そうした場面の、ほんの少し手前、つまり、捨てる前の、ひと呼吸についての本です。
お話しの土台は、国の機関の公表資料です。
消費者庁。それから、環境省です。
数字は、そのつど、どの資料の、どの年度のものかを添えます。
先に、お断りしておきます。
食品の安全については、食品の種類や、保存の状態によって、事情が違います。この本は、「賞味期限が切れても、食べられます」と、言い切ることはしません。
乳幼児や、高齢の家族、妊娠中の方、持病のある方がいる場合は、とくに慎重にしてください。ご不安なときは、かかりつけの医師などに、ご相談ください。
また、特定の商品や、お店、アプリは、おすすめしません。
全体の流れは、次のとおりです。
まず、数字で、食品ロスの状況を見ます。
つぎに、二つの期限、消費期限と賞味期限のちがいを、お話しします。
そのあと、期限と保存方法の関係、開けたあとの食品、そして、賞味期限が過ぎたときの考え方です。