本文へ移動
TORENDIA

眠りの教科書 ― 6時間の目安と「休養感」から始める、やさしい睡眠習慣

本文約11,200字 ・ 読了時間 約23分

霧島 蒼

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 13

はじめに 眠りは「余った時間」ではない

忙しい毎日の中で、眠る時間は、いちばん先に削られがちです。

仕事が終わらない。家のことが残っている。見たい動画がある。

そうやって一日を使い切ったあとの、残りの時間で眠る。そんな暮らしをしている人は、少なくないと思います。

けれども、眠りは、余った時間ではありません。

眠っている間に、体と頭は、一日の疲れを回復させています。子どもなら、体や脳を育てる時間でもあります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、こうした眠りの役割を、とても大切なものとして位置づけています。

では、日本の睡眠は、いまどんな様子なのでしょうか。

2021年に、OECD、経済協力開発機構が行った調査があります。この調査で、日本人の平均睡眠時間は、対象になった33か国の中で、もっとも短いとされました。厚生労働省の広報誌、2025年3月号の睡眠特集が、このことを紹介しています。

また、2019年の国民健康・栄養調査では、働く世代の20歳から59歳に注目しています。どの世代でも、睡眠が6時間に届かない人が、およそ35パーセントから50パーセントを占めていました。5時間にも届かない人に絞っても、約5パーセントから12パーセントいたと、睡眠ガイドは伝えています。

さらに、眠って休めたと感じている人の割合は、近年、20歳以上でおよそ7割にとどまり、年々減る傾向にあるそうです。

この数字を見て、不安になる必要はありません。

ただ、日本では、眠りが足りていない人が、思ったより多いようだ。そのことを、最初に知っておいてほしいのです。

この本は、眠りの「教科書」を名乗っていますが、むずかしいことは書きません。

何時間眠ればいいのか。眠りの質は、何で見ればいいのか。昼と夜に、どんな工夫ができるのか。眠れない夜は、どう過ごせばいいのか。

そうした疑問に、公的な資料をもとに、短い言葉で答えていきます。

先に、お断りしておきます。

この本は、病気の診断や治療をするものではありません。薬や、商品や、サービスをすすめる本でもありません。

霧島 蒼の他の作品