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TORENDIA

冬のお風呂と家の寒さ ― 温度差を小さくして、安全にあたたまる入浴と室温のコツ

本文約9,900字 ・ 読了時間 約20分

霧島 蒼

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はじめに ― ほっとする時間に、少しだけ気をつけたいこと

寒い日の夜、あたたかいお湯にゆっくりつかる。冬のいちばんの楽しみだという人も多いでしょう。

この本は、そのお風呂を、これからも安心して楽しむための本です。

じつは、冬の入浴中には、とくに高齢の方を中心に、事故が増えることが知られています。国の機関が、毎年のように注意をよびかけています。

この本では、その数字と、起きやすい理由と、お金をかけずにできる備えを、順番にお話しします。あわせて、お風呂の事故と深く関わる、家の中の寒さと温度差についても考えます。

先に、お伝えしておきたいことがあります。

お風呂は、こわいものではありません。毎日たくさんの人が、何事もなく入っています。

また、この本は、医師や専門家の立場から、診断や治療のお話をするものではありません。体の状態には、個人差があります。持病のある方や、薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。

この本に出てくる数字は、消費者庁、厚生労働省、国土交通省が公表している資料にもとづいています。数字には、そのつど、何年のものかを添えます。

また、特定の商品や会社は、おすすめしません。身の回りにあるものと、ふだんの暮らしの工夫だけで、できることを集めました。

全体の流れは、つぎのとおりです。

まず、数字で、入浴中の事故がどのくらいあるのかを見ます。

つぎに、なぜ冬に増えるのかという、理由を整理します。

そのあと、お風呂に入る前、入っているとき、出るときの、それぞれのコツをお話しします。

後半では、家全体の寒さに目を向けます。部屋と部屋の温度の差や、室温と体の関係を、調査の結果をもとに見ていきます。

最後は、家族でできる工夫と、今週すぐに始められることです。

では、はじめましょう。

第一章 数字で見る、入浴中の事故

いつ、どこで起きているのか

消費者庁は、冬の入浴中の事故について、くり返し注意をよびかけています。

その資料によると、おぼれて亡くなる高齢者の数は高い水準が続いていて、近年は、交通事故で亡くなる人の数を上回っています。

事故が起きる場所は、自宅や高齢者向けの施設の、浴槽が中心です。

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