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TORENDIA

国際殺人団の崩壊

本文約15,800字 ・ 読了時間 約32分

あらすじ(AIが作成しました)

科学界の重鎮である鬼村博士の研究所では、科学者たちが次々と不審な死を遂げる怪事件が頻発していた。博士自身も殺人魔の跳梁を警戒し、科学者たちに注意を促す。その裏で、博士は化学による生物の人造を研究しつつ、自ら国際的な殺人計画を進めていた。やがて、解毒ガスを開発した椋島技師らとの対決を通じて、博士が画策する帝都全滅を目論んだ前代未聞の恐るべき陰謀が明らかとなり、科学者たちの命運を懸けた攻防が幕を開ける。

海野十三

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作者は、此の一篇を公にするのに、幾分の躊躇を感じないわけには行かないのだ。それというのも、実は此の一篇の本筋は作者が空想の上から捏ねあげたものではなく、作者の親しい亡友Mが、其の死後に語ってきかせて呉れたものなのである。亡友Mについては、いずれ此の物語を読んでゆかれるうちに諸君は、それがどのような人物で、どのような死に方をしたのであるか、おいおいとお判りになってくれることであろう。それにしても「死後に語ってきかせたもの」などと言うのは大変可笑しいことに聞えるかも知れないが、これも事情を申して置かねばならないことであるが、諸君もかねてお聞きおよびかと思う例の心霊研究会で、有名なるN女史という霊媒を通じて、作者がその亡友から聞いた告白なのである。その告白は、実に容易ならざる国際的怪事件を語っているので、命中率九十パーセントと称せられる霊媒N女史の取扱ったものだから充分事実に近いものだとすると、この怪事件は公表するには余りに重大な事柄で、或いは公表を見合わせた方が当り障りがなくてよいかも知れないくらいなのである。しかし一方に於て、N女史の招霊術は、単なる読心術にすぎないという識者もあるようだから、それなれば、N女史の前に坐った作者の心中にかくされていた妄想が反映したのに過ぎないとも云えないこともないのである。兎も角、そこのところは諸君の御判断におまかせするとして、怪事件の物語をはじめようと思うが、一種の実話であるだけに、筋ばかりで、描写が充分でないのは我慢していただきたい。

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