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TORENDIA

文学の本質について(二)

本文約10,100字 ・ 読了時間 約21分

あらすじ(AIが作成しました)

土田杏村や村松正俊らが提唱する文学の本質論を批判的に吟味し、平林初之輔自身の見解を展開する評論。著者は、文学を社会性や歴史性から切り離して神秘化する表現主義的な理論の矛盾を指摘する。また、プロレタリア文芸運動における文学の役割や機能についても検討し、文学における目的意識と芸術の自律性の関係を考察する。科学的な態度による文学の歴史的分析の必要性を説き、論理的な文学理論の構築を試みる。

平林初之輔

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四 土田杏村氏及び村松正俊氏の本質論

私がこの小論文の続稿を書きおへないうちに、甚だ重要な二三の議論が私の眼にふれた。それ等は、「文芸公論」四月号に現れた土田杏村氏の「文芸の芸術性と社会性」、村松正俊氏の「都会趣味芸術再論」、「新潮」三月号に現れた勝本清一郎氏の「社会主義文芸論の修正」、「文芸戦線」二、三月号の社説及び四月号の田口憲一氏の「プロレタリア文芸運動の現段階と其任務」等である。このことは、私をして、これ等の論文のうちで私の言はんとする問題に触れた部分について若干の考察を省略するのは適当でないと思はせるに至つた。そこで私は、次にこれ等の論者の説を吟味しつゝ私自身の所論を展開させてゆくであらう。

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