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TORENDIA

ルポルタージュの読後感

本文約2,900字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

働く女性たちから寄せられた十篇の原稿を整理し、ルポルタージュと感想文の定義を論じる。事実に即した具体的事象の記述を通じ、その意味を読者に提示する報告文学の様式を説く。一方で、心の内面を扱う感想文との違いを明確にし、女性たちがより精度の高い記録を綴ることで、社会的な視野と識見を広げる可能性を提言する。個別の投稿作について、内容が感想に留まっていないか、あるいは報告としてどのような具体性が必要かを分析する。

宮本百合子

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🎧 ルポルタージュの読後感 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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今月、私のところへ送られて来た原稿は全部で十篇でありましたが、その殆どが、働いている女性の生活記録であり、さもなければ外に出て働いていなくても家庭で無くてはならない人として暮している女性たちの文章でした。

熱心に書かれていると思いましたが、やはりまだルポルタージュというものと感想文というものとの区別が、書いている方自身にはっきりつかめていないのが半数を占めたのは残念です。

報告文学(ルポルタージュ)と感想文との根本的なちがいは、次のようなところにあると思います。報告文学というものは、ここに一人の人があって、その人が経験し見聞した事実、事件、問題などを具体的にそれがあったとおり記述してゆきながら、その記述をとおして書いている人がその事実なり事件なりの意味をどうつかんでいるかということも読者に感じさせてゆく書きかたです。

感想文の方は、感想というものがある一日に起ったある一つの事から誘い出されることもあるけれども、又、いつとはなし日々の生活の間から心にためられて、どの日のどのことという具体的な条件にかかわらず、その心持としてそれだけ書き綴られて行ってよいものです。従って、報告に比べれば文学の様式として心持が抽象して扱われる場合が多いのです。

若い女性たちが、ものを書きたくて書いてゆく自然の動機には、きっとこの二つの形のちがいがはっきりしないまま、ただ表現したい、心を語りたい欲望として感じられるまま書かれる場合が多いのでしょう。

そういう心持への理解と共感とは、特に書いているのが女性たちである場合私たちの心に生きているのです、が文学において様式の差別をみとめて、小説と小品文とのちがいを知っているとすれば、やはり感想文と報告文学とのちがう点をわきまえてゆくことも一つの成長であろうと考えます。本当の報告文学が若い女性によって一つでも多く書かれるようになれば、とりも直さずそれだけ若い女性の生活態度も社会的な眼をひろめ、識別をひろめたことになるのだと思います。ルポルタージュと感想文とのちがいをもう一度改めて考えて行くのに役立つように今月は原稿を整理して行って見ます。

一、職場の日記  牧美耶子

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