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TORENDIA

猫の草紙

本文約6,000字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

京都でねずみのいたずらが激化したため、お上の命により飼い猫が放し飼いとなる。猫の襲撃に追い詰められたねずみたちは、和尚に猫の繋留を懇願するが拒絶される。一方、猫も和尚にねずみの排除を訴える。やがて両者が対峙する中、和尚が仲裁に入り、双方が悪さをしないことを条件に共存を約束させる。獣の身分と分相応の暮らしを説く和尚の言葉に納得した猫とねずみは、それぞれの陣を引き払って帰っていく。

楠山正雄

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🎧 猫の草紙 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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一

むかし、むかし、京都の町でねずみがたいそうあばれて、困ったことがありました。台所や戸棚の食べ物を盗み出すどころか、戸障子をかじったり、たんすに穴をあけて、着物をかみさいたり、夜も昼も天井うらやお座敷の隅をかけずりまわったりして、それはひどいいたずらのしほうだいをしていました。

そこでたまらなくなって、ある時お上からおふれが出て、方々のうちの飼い猫の首ったまにつないだ綱をといて、放してやること、それをしない者は罰をうけることになりました。それまではどこでも猫に綱をつけて、うちの中に入れて、かつ節のごはんを食べさせて、だいじにして飼っておいたのです。それで猫が自由にかけまわってねずみを取るということがありませんでしたから、とうとうねずみがそんな風に、たれはばからずあばれ出すようになったのでした。

けれどもおふれが出て、猫の綱がとけますと、方々の三毛も、ぶちも、黒も、白も自由になったので、それこそ大喜びで、都の町中をおもしろ半分かけまわりました。どこへ行ってもそれはおびただしい猫で、世の中はまったく猫の世界になったようでした。

こうなると弱ったのはねずみです。きのうまで世の中をわが物顔にふるまって、かって気ままなまねをしていた代わりに、こんどは一日暗い穴の中に引っ込んだまま、ちょいとでも外へ顔を出すと、もうそこには猫が鋭い爪をといでいました。夜もうっかり流しの下や、台所の隅に食べ物をあさりに出ると、暗やみに目が光っていて、どんな目にあうか分からなくなりました。

二

「これではとてもやりきれない。かつえ死に死ぬほかなくなる。今のうちにどうかして猫をふせぐ相談をしなければならない。」というので、ある晩ねずみ仲間が残らずお寺の本堂の縁の下に集まって、会議を開きました。

その時、中でいちばん年を取ったごま塩ねずみが、一段高い段の上につっ立ち上がって、

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