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TORENDIA

『絵はがき』評

本文約340字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の生活を異郷人のような目で見つめ、日本の古典と西欧の文体を兼ね備えた文章を綴る堀辰雄の作品集を評し、その健康の回復を願う折口信夫の書評。

折口信夫

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堀辰雄氏の創作集が七冊本になつて、叢刊せられる。最初に出たのが、この『絵はがき』である。堀氏は、日本の新旧生活様式に対して、まるで異郷人がする様に、えきぞちつくな目を瞠つてゐる。その綴る文章も、日本の古典の持つ明るさと、西欧の文体にある爽かさとを兼ねてゐる。今度の本には、その一等若い生活の印象せられた懐しい作品が多い。

散文においても、また詩においても若い文学の世代に生きようとする人には、是非この本を読んでほしい。壮年期以上の人々にとつては新しい感覚に充ちた文章の、叙景力・抒情力に打たれて見るのも、喜ばしい驚異に行き会ふことになるだらう。今、大変健康をこはしてゐる堀氏を思ふと、早く起ち直つて、幾篇かの後世に伝ふべき創作集を、整頓する勇気を、持ち直してほしいと、切に思ふ。

完

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