文学の中の科学的要素
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あらすじ(AIが作成しました)
科学と芸術は共に人間の創作物であり、同一の資料を扱うが、科学は能知者から独立した客観的実在を扱うのに対し、芸術は能知者が対象に没入あるいは反映することで成立する。本作は、文芸の中に潜在する科学的要素を考察し、詩歌、叙事的文学、写実派・自然派、理想派・浪曼派といった各形式において、科学的合理性が作品の価値にどのように関与するか、また読者や作者の能知がどのような役割を果たすのかという視点から、文学と科学の関係を論じる。
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同一の事象に対する科学的の見方と芸術的の見方との分れる点はどこにあるだろう。
科学も芸術もその資料とするものは同一である。それを取扱う人間も同じ人間である。どちらも畢竟は人間の「創作」したものである。人間の感官の窓を通して入り込んで来る物を悟性や理性によって分析し綜合して織り出された文化の華である。それであるのに科学と芸術とは一見没交渉な二つの天地を劃しているように思われる。このような区別はどこから来たものであろうか。
吾人が事象に対した時に、吾人の感官が刺戟されても、無念無想の渾沌たる状態においては自分もなければ世界もない。そのような状態が分裂して、能知者と所知者が出来る事によって、始めて認識が成立し始める。そこから色々な観念が生れ、観念は更に分裂してより多く共通な要素に分析されてそこに秩序が出来、「言葉」が出来、「方則」が出来る。
科学が科学以外の学と異なる根本はどこにあるかと云えば、所知者をして所知者を記述させ説明させる事である。能知者から解放された所知者相互の関係を取扱うものと考えてもよい。勿論能知者なくして所知者の成立し得ない事は明らかであるが。かくのごとくして成立した所知者は能知者の存在に無関係な独立の実在であると仮定する。そうしてそのような所知者の世界には時と空間に関する整合が存在し、普遍にして必然な因果関係が存在するという事を前提として、そういう型にはまるようにこの世界を処理して行く。そういう試みがある程度まで成効した結果が今日の科学である。