TRENDIA CLASSIC

蘭郁二郎

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毎日毎日、気がくさくさするような霖雨が、灰色の空からまるで小糠のように降り罩めている梅雨時の夜明けでした。丁度宿直だった私は、寝呆け眼で朝の一番電車を見送って、やれやれと思いながら、先輩であり同時に同僚である吉村君と、ぽつぽつ帰り支度にかかろうかと漸く白みかけた薄墨の中に胡粉を溶かしたような梅雨の東空を、詰所の汗の浮いた、ガラス戸越しに見詰めていた時でした。思い出したように壁掛電話がチリン、チリン、チリチリンと呼出しを送って来たのです。そばにいた吉村君が直ぐ受話器を外しましたが

『え、何、ポンコツか――ふーん、どこに。うん、うん、行こう』

といってガチャリと電話を切って

『おい、ポンコツだとよ、今の、番が見つけたっていうから終電車にやられたらしいナ』

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