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TORENDIA

心平かなり

本文約390字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

不平を並べる代わりに、近頃太ったこと、よく眠れること、言葉の聞き違いの滑稽な一幕、枯れたと思った梅が花をつけたことなど、ささやかな愉快事を挙げてみせる岸田國士の随筆。

岸田國士

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🎧 心平かなり / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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不平があるなら云へといふことだが、不平を不平の形にして表はすのは如何にも芸のない話だと思ふから、近頃愉快なことだけを挙げて置かう。実を云ふと、さうする方が手取早くていゝ。

第一に、此の頃肥つたのが目立つこと。

第二に、少しぐらゐ歩いても疲れが出ないこと。

第三に、よく眠れること。

かういふことは、なるほど、読者の興味をそゝるに十分ではない。それなら――

近頃、演劇雑誌の創刊されるもの、迎接に暇なき有様であることがその一つ。

近頃、或る批評家が、ルノルマンの「落伍者の群」を評して、恰もオオドヴウルの如しと云ふ、その意味がわからずにゐると、傍から「ヴオオドヴイル」のことならずやと云はれ、さうか知らと思つてゐると、なんのことはない、洋食の「オオルドウウヴル」のことであつたのがその二つ。

近頃、枯れたと思つてゐた梅が、何時になくあでやかな花をつけたことがその三つ。

まあ、これくらゐにして置く。

完

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