ねずみさんの失敗
本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
なまけ者のねずみは、隣人の家から漂う油揚げの匂いを嗅ぎつけ、おこぼれに預かろうと着飾ったおかみさんを連れて家を飛び出す。道中で巨大な玩具の熊と遭遇し、恐る恐る教えられた地下室へと向かう。ようやく辿り着いた目的地で、油揚げを食べ終えたばかりの隣人夫婦と対面したねずみ夫婦は、期待が外れたことにひどく落胆し、怒りを露わにしながら家路をたどる様子を描く。
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ねずみさんはとてもなまけ者です。そのねずみさんが、ねずみさんのおかみさんの部屋にとんで帰つて言ひますのに、
「おかみさんや、早く着物を着換えなさい。一番いい着物に。帽子も一等いいのに。それから、わしにも一番いい服を出しておくれ。」
おかみさんは、ねずみさんの言ふことがよく分らないので、返事をしませんでした。ねずみさんは、大きな声でどなりました。
「下の家のチユウチユウさんのところへ遊びに行くんだから。」おかみさんはしぶしぶ、「チユウチユウさんのところへ? 何しに行くんです。」と聞きました。ねずみさんは、
「それがさ、まあお聞き。今ね、わしがチユウチユウさんのとこの前を通つたのさ。そしたらお前、あぶらあげ、ね。あぶらあげを焼いてる匂ひがプンプンしてんだよ。早く、遊びに行けば、きつと、分け前がもらへるよ。さ、早く早く。」と呼吸を切らして言ひました。
「ほんと? ぢや早くしないとお前さん、駄目になつてしまひますよ。早く、早くつたら。」とおかみさんも仲々慾張りでしたから、二人で大あわてにあわてて仕度をして出掛けました。
二人は目の色を変へてお庭を走りぬけて、大きな門のそばを通つて、やつとこさ、大きなお部屋の前まで来ました。「おや、路をまちがつたやうだよ。困つたなあ。」とねずみさんは、こわごわなかを見ましたら、そこには、山のやうに大きなおもちやの熊さんがすわつてゐました。二人はビツクリしてしまひましたが、こんな事ぐらゐで引つかへすなんて事は出来ません。二人とも、とてもおとなしく、そして、頭を床にすりつける位低くおぢぎをして、「熊さん、私たち、路に迷つて、大変困つてをりますのですが、チユウチユウさんとこはどつちでございませうか。早く参りませんとあぶらあげの分け前を戴かれなくなりますから、早く教へて下さいませんか。」と言ひました。
熊さんはとてもをかしかつたので、フキ出しながら、
「お前さんみたいな夫婦はきつと道をまちがへるね。この机の上の穴を通つて、地下室へおいで。そこがチユウチユウさんのとこだ。」