ホオムズの探偵法
本文約3,000字 ・ 読了時間 約7分
あらすじ(AIが作成しました)
ベーカー・ストリートの部屋に座る名探偵シャーロック・ホームズと助手のワトソンの姿を起点に、その性格や思考プロセスを詳細に分析する。感情に流されず、冷静な観察と推理を機械のように働かせる人物像を描き出し、不可能な要素を除去して真理を導き出す科学的な探偵法を解説する。加えて、繰り返される推理の手法や決まり切った展開といった、作品のマンネリズムについても論じる。
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一 書斎の中のホームズ
ベーカー・ストリートの古びた部屋、そとにはロンドン特有の濃霧がたちこめている。室内には青白い瓦斯ランプがついており、ストーブにはかっかっと石炭が燃えている。書棚にはあらゆる種類の専門書がぎっしりとつまっており、色々な薬品や試験管などと共に陶器や各種の金属でこしらえた世界各国の骨董品が並んでいる。その中には、印度の仏像や、支那の古器や、南洋土人の手工品や、アフリカの食人種の部落からとってきた頭蓋骨などもあるといった具合。
ロンドン中の新聞はもとより、パリやニューヨークの新聞などがとりまぜて部屋中に散乱している。その中に、四十そこそこのがっしりした男が、パイプをくわえて、幾分にがみばしった顔つきをして座っている。そのそばには、主人公と同じくらいの年輩の紳士がすわって、二人で何か語りあっている。
ちょっと見るとこの部屋の主人公は医者のようでもあり、人類学者か考古学者のようでもあり、探険家のようでもある。また肉体だけを見ると、スポーツマンか拳闘手のようにも見える。ところが、これが、だいたい私の想像する、名探偵シャーロック・ホームズのグリンプス〔一見、一瞥〕である。そばにすわっている紳士は言うまでもなく彼の友人であり助手であるワトソンである。
二 ホームズの性格
「すべての感情は、彼の、冷静な、明徹な、それでいて見事に調和のとれた心と相容れない。とりわけ恋愛という感情はなおさらである。私の見たところでは、彼は、全世界を通じてこの上ない完全な、推理と観察の機械であるが、恋愛のことになると、どうも勝手がわからぬらしい。彼は、嘲笑や皮肉なしに恋愛を語ったことはない」