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TORENDIA

「文芸冊子」について

本文約420字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

雪国のお寺の和尚や医者、市長までがそれぞれの言葉で思い思いに書く小さな雑誌にこそ、文学以上に文学的な生活感情が宿ると評する坂口安吾の一文。

坂口安吾

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🎧 「文芸冊子」について / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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ふるさとの雪国でこんな雑誌がでゝゐるかと思ふと、それだけでたのしい思ひになります。お寺の和尚さんだの、田舎のお医者さんだの、市長さんなどが思ひ思ひのことを書いてゐるのは全く愉快なことですね。文学などといふ鋳型に入れると困つた物になるので、ただ硯と筆との本来の魂がそのありのままで現れてくれると、こんな小さな雑誌が我々の小さな生活に一番得難い友達になるでせう。和尚さんは和尚さんのやうに、お医者はお医者のやうに、市長さんは市長さんのやうに、みんなそれぞれの魂で、雪国の小さな都市で本当に生活してゐるその感情が生きて流れて欲しい。かういふ雑誌の存在は大切であり、その在り方によつて、文学でないために、むしろ本当の文学よりも文学的なものになるでせう。さういふつゝましい(それ故本当の)生活感情がにじみでるためには一つの雰囲気が大切で、この雑誌にまだ本当の魂はこもつてゐないやうですが、一つの雰囲気の発芽はあると思ひます。それが何よりです。

完

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