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TORENDIA

大へび小へび

本文約4,200字 ・ 読了時間 約9分

あらすじ(AIが作成しました)

アイルランドや日本の神話、歴史、聖書、さらには筆者の私生活における蛇にまつわる伝承や体験を綴る。古来より大蛇は畏怖の対象として物語を彩り、時には神や異界からの使者として人間の営みに関わってきた。本書は、民俗学的な背景や説話に見られる蛇の多面的な姿を辿りつつ、自身が住まう家に現れた蛇との不思議な記憶を回顧し、人間と蛇という存在が織りなす象徴的な関わり合いや、その変遷について考察を深めていく。

片山廣子

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🎧 大へび小へび / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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日本では蛇の昔ばなしがたくさんあるが、アイルランドの伝説にも蛇が多いやうである。同じやうに島国のせゐかもしれない。初めに私が読んだのはごく太古のこと、北方の山の湖水に劫を経た大蛇が、将来えらい人がこの国に来て蛇族全部を退治してしまふといふ予言をきいたので、さういふ災禍の来ない前に海に逃げてしまはうと思つて、一生けんめいに湖水から逃げ路を作り始める。行くみちみちで沿岸の家畜どもを喰ひ荒し、時々休息し、さうして又水路を掘る。いさましい人間どもが大蛇を攻撃してくるが、いつも人間の方が負けてしまふ。しかし大蛇も負傷したり殺されかかつたりして、永い月日を経て漸く海まで水路を通す。大蛇の作つた路がシヤノン河になつたといふ話である。

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