TORENDIA
ダンセニーの脚
本及短篇
片山廣子
TORENDIA
ダンセニーの脚本及短篇
本文約2,800字 ・ 読了時間 約6分
あらすじ(AIが作成しました)
ダンセニイの脚本や短篇集について、読者としての好みを交えて紹介する。海賊シヤアドが大沙漠を越える物語や、狂紳士が亡き愛人を招く宴、馬人シエパラアクの旅路などを挙げ、そのユーモアや夢、独特の空気感を解説する。また、舞台芸術として上演される際の演出上の困難や、作者自身が故郷の言葉で執筆したと語る『アルギメネス王』などに見られる力強さについて論じ、詩的な夢の世界が損なわれることへの懸念と祈りを綴る。
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(一)
ダンセニイの「アラビヤ人の天幕」が先日明治座で新劇座の人々に依って上演され、今月になって友田恭助水谷八重子諸氏の手で同じ脚本及び「光の門」「旅宿の一夜」の三種が鉄道協会で試演されるということである。今まで学校の英語会余興にばかし使われていたダンセニイ劇の為には悦ばしい事に違いない。
私が今まで多少ダンセニイのものを訳して来た関係上、何かダンセニイについて云いたいことがあるならと人からいわれたが、訳者としては私は殆ど何も知らないから何も云えないと答えた、あまり乱暴な言葉のようであるが、訳する時はまるで機械の気分で眼と筆の使い分けをしているから原作について考える余裕は少しもない。[#「ない。」は底本では「ない」]訳し終ると「神おろし」の女が醒た時のようにけろりとして何もかも忘れてしまう、女の頭は浅いものであるから、無理もない事であろうと思う。
それで訳者としては何もいえないが、しかし読者として私はダンセニイについての好き嫌いだけをいいたい。
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