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TORENDIA

電信柱と妙な男

本文約2,100字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

夜にしか外出しない妙な男は、静まり返った町で雲を突くほど背の高い電信柱に出会う。世間嫌いという共通点から二人は意気投合し、共に散歩を始める。電信柱の提案で屋根の上へ登った男だが、電信柱の青ざめた顔と傷跡を見て恐怖し、逃げ出そうとする。夜が明けて動きを止めた電信柱を前に、屋根から降りられなくなった男が窮地に陥るまでの奇妙な交流を描く。

小川未明

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🎧 電信柱と妙な男 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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ある町に一人の妙な男が住んでいた。昼間はちっとも外に出ない。友人が誘いにきても、けっして外へは出なかった。病気だとか、用事があるとかいって、出ずにへやの中へ閉じこもっていた。夜になって人が寝静まってから、独りでぶらぶら外を歩くのが好きであった。

いつも夜の一時ごろから三時ごろの、だれも通らない町の中を、独りでぶらぶらと歩くのが好きであった。ある夜、男は、いつものように静かな寝静まった町の往来を歩いていると、雲突くばかりの大男が、あちらからのそりのそりと歩いてきた。見上げると二、三丈もあるかと思うような大男である。

「おまえはだれか?」と、妙な男は聞いた。

「おれは電信柱だ。」と、雲突くばかりの大男は、腰をかがめて小声でいった。

「ああ、電信柱か、なんでいまごろ歩くのだ。」と、妙な男は聞いた。

電信柱はいうに、昼間は人通りがしげくて、俺みたいな大きなものが歩けないから、いまごろいつも散歩するのに定めている、と答えた。

「しかし、小男さん。おまえさんは、なぜ、いまごろ歩くのだ。」と、電信柱は聞いた。

妙な男はいうに、俺は世の中の人がみんなきらいだ。だれとも顔を合わせるのがいやだから、いま時分歩くのだ。と答えた。それはおもしろい。これから友だちになろうじゃあありませんかと、電信柱は申し出た。妙な男は、すぐさま承諾していうに、

「電信柱さん、世間の人はみんなきらいでも、おまえさんは好きだ。これからいっしょに散歩しよう。」といって、二人はともに歩き出した。

しばらくすると、妙な男は、小言をいい出した。

「電信柱さん、あんまりおまえは丈が高すぎる。これでは話しづらくて困るじゃないか。なんとか、もすこし丈の低くなる工夫はないかね。」といった。

電信柱は、しきりに頭をかしげていたが、

「じゃ、しかたがない。どこか池か河のふちへいきましょう。私は水の中へ入って歩くと、おまえさんとちょうど丈の高さがおりあうから、そうしよう。」といった。

「なるほど、おもしろい。」といって、妙な男は考えていたが、

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