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TORENDIA

飴チョコの天使

本文約4,600字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

工場で製造された飴チョコの箱には天使が描かれており、各地へ出荷された箱の中には様々な運命が待ち受ける。ある田舎の菓子屋へ送られた三人の天使は、店に留まりながら売れる日を待ちわびる。一年後、東京へ住む孫への贈り物として選ばれたことで再び汽車に乗り都会へ戻る。子供たちの手に渡り箱が役目を終えると、天使たちは再び青い空へと帰っていき、工場や都会の風景を懐かしみながら輝く星を目指して昇っていく。

小川未明

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🎧 飴チョコの天使 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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青い、美しい空の下に、黒い煙の上がる、煙突の幾本か立った工場がありました。その工場の中では、飴チョコを製造していました。

製造された飴チョコは、小さな箱の中に入れられて、方々の町や、村や、また都会に向かって送られるのでありました。

ある日、車の上に、たくさんの飴チョコの箱が積まれました。それは、工場から、長いうねうねとした道を揺られて、停車場へと運ばれ、そこからまた遠い、田舎の方へと送られるのでありました。

飴チョコの箱には、かわいらしい天使が描いてありました。この天使の運命は、ほんとうにいろいろでありました。あるものは、くずかごの中へ、ほかの紙くずなどといっしょに、破って捨てられました。また、あるものは、ストーブの火の中に投げ入れられました。またあるものは、泥濘の道の上に捨てられました。なんといっても子供らは、箱の中に入っている、飴チョコさえ食べればいいのです。そして、もう、空き箱などに用事がなかったからであります。こうして、泥濘の中に捨てられた天使は、やがて、その上を重い荷車の轍で轢かれるのでした。

天使でありますから、たとえ破られても、焼かれても、また轢かれても、血の出るわけではなし、また痛いということもなかったのです。ただ、この地上にいる間は、おもしろいことと、悲しいこととがあるばかりで、しまいには、魂は、みんな青い空へと飛んでいってしまうのでありました。

いま、車に乗せられて、うねうねとした長い道を、停車場の方へといった天使は、まことによく晴れわたった、青い空や、また木立や、建物の重なり合っているあたりの景色をながめて、独り言をしていました。

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