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TORENDIA

こがらしの ふく ばん

本文約640字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

夜が長くなったある晩、仕事をする母のそばで、きょうだいが火鉢にあたりながら栗を食べていると、どこからかリンリンという不思議な音が聞こえてくる。外へ出て眺めると、すみわたった月夜の下を、車夫が引く人力車が通り過ぎていく。車の上には美しい花嫁が乗っていた。この不可解な夜の情景を、子供たちが何者だろうと想像を膨らませながら、こがらしの吹く冬の夜の戸口から見つめる様子を描く。

小川未明

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🎧 こがらしの ふく ばん / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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夜が ながく なりました。おかあさんは おしごとを なさって います。その そばで、きょうだいは 火ばちに あたりながら、くりを たべて いました。

「リンリン リンって、なんの 音だろう。」

ふいに、正ちゃんは あたまを あげました。

「ねずみが おかってへ でて、なべに さわったのでしょう。」

と、おかあさんは おっしゃいました。

「武ちゃんが 三りん車に のって いるのよ。」

と、つね子さんが いいました。

「いまじぶん、だれが あそんで いるものか。」

しばらく すると、また、「リンリン リン。」と、いう 音が、かすかに きこえました。

「ほら。」

「ほんとうだわ。」

おかあさんと 三人が とを あけて、そとを ながめました。こがらしが ふいて、すみわたった いい 月夜でした。

かどの たばこやの まえに ちょうちんの 火が みえて、人力車が みちを きいて いる ようすです。そのうち こちらへ かけだして くると、リンリン リンと、しんぼうに はめた かねの わが なりました。

かさを かぶった おじいさんの 車夫です。そして 車の 上には、それは きれいな およめさんが のって いました。

さむく なって、三人は とを しめました。

「あれは おばけで ない?」

と、正ちゃんが いいました。

「きっと きつねよ。」

と、つね子さんが いいました。

「いいえ、あの おじいさんは、いつ も ていしゃばの まえに いる おじいさんです。」

と、おかあさんが おっしゃいました。

きょうだいは とこの 中へ はいりました。その とき、また うちの まえを リンリン リンと、とおる 音が しました。いま 車やさんが、かえるのです。

あとは、こがらしの こえが きこえました。

完

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