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TORENDIA

詩の精神は移動す

本文約2,000字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

創造とは古い形の破壊を伴うものであり、真の詩とは既存の文化や感情に安住するものではなく、疑いと激動の中から生じるものであると論じる。著者は、芸術はその時代の霊魂を映す鏡であり、生活の焔であると説く。旧来の牧歌的・感傷的な詩歌を批判し、新しい社会や生活を希求する現代において、詩の王国が移動したことを自覚し、来るべき新文化の曙光を暗示する新鮮な表現を創造すべきだと主張する。

小川未明

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🎧 詩の精神は移動す / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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物が新しくそこに生れるという事は、古い形が破壊されたということを意味するに他ならない。単に破壊というと不自然のように感ずるけれども、創造というと、人々には美わしい事実のように思われる。若しも古いものが其のまゝ形を変えたものであったなら、それは創造ではないだろう。

即ち存在の意義を別個のものとして、新しく生れるということに於て、創造は私たちに歓喜をよびおこす。

詩はついに、社会革命の興る以前に先駆となって、民衆の霊魂を表白している。例えばこれが労働者の唄う歌にしろ、或は革命の歌にしろ、文字となってまず先きに現われるということは事実である。そして、芸術の形をつくるのである。それは最も感激的に、短い言葉である。魂の赤裸々な叫びを見せている。それが詩である。

いまこゝに、どんなに快い調子が繰り返されていても、如何にそれがある優しみの感じを人の心に与えても、その中に含まれている思想が依然として在来のものであったなら、私はそれを求むるところの詩という事が出来ない。極端に言えば、旧文化に安住している人々には、又その時代の感情に陶酔し、享楽している人々には、ほんとうの意味の詩はない筈である。

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