はちとばらの花
本文約2,600字 ・ 読了時間 約6分
あらすじ(AIが作成しました)
一生懸命に働いていたはちの巣が、いたずら子によって破壊される。悲しみに暮れ、美しいばらの幸福を羨むはちは、水面に映る自らの姿を見て落胆する。やがてばらが花園から消えたことを知ったはちは、全ての命に平等な運命を悟り、再び巣を作るために仲間を探しに行く様子を描く。
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はちは、人間の邪魔にならぬところに、また、あんまり子供たちから気づかれないようなところに、巣をつくりはじめました。
仲間たちといっしょに、朝は早く、まだ太陽の上らないうちから、晩方はまたおそく、まったく日の沈んでしまうころまで、せっせと働いたのであります。
彼らが、こうして働いているときに、この世の中では、いろいろなおもしろいことや、またおもしろくないことなどが起こっても、けっして、それに目もとまらなければ、また心のひかれるようなことがなかったほど、いっしょうけんめいであったのでした。
ひまなとんぼが遊んでいたり、おしゃべりなせみが鳴いていたりする間に、はちはせっせと働いていました。
一ぴきのはちは、巣を離れて、外へいっていて、すこし暇がとれたのでした。
「ああおそくなった。早く帰っておてつだいをしなければならぬ。」と思って、急いで、青い空の下を、自分たちの巣の方に向かって、一直線に走ってきました。
すると、どうでしょう。留守の間にたいへんなことが起こりました。せっかく、幾日となく、日も夜も精を出して、やっと半分も造った巣は、たたき落とされてめちゃめちゃに砕かれ、そのうえに、仲間までが幾ひきとなく殺されていたからです。これを見て、はちは、気が遠くなるほど驚きました。そして、悲しみました。
「だれが、こんなことをしたのだろう?」と考えましたが、すぐそれは、人間のいたずら子がしたということがわかりました。
そこへ、外へ出た仲間が、つぎつぎともどってきました。そして、みんなが、この有り様を見ておどろき、腹をたてぬものはなかったのです。
砕かれた、巣のまわりを飛びまわり、どうしたらいいものかと思案に暮れました。憎いいたずら子を針で刺してやりたいと思いましたが、どこへ逃げたか、その子供らの、影も、形もあたりには見えませんでした。
「どうしたら、いいものだろうか。」
「また、巣を造り直そう。」
「そんな元気が、私たちにあるものか。」