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TORENDIA

赤い船とつばめ

本文約1,200字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

南の国からきた赤い船が、秋を迎えて帰郷を急ぐつばめたちを迎えに浜辺へやってくる。多くのつばめが船に乗る中、出発に遅れた一羽のつばめは木の葉を頼りに海を渡る決意をする。旅の途中で暴風に遭遇したそのつばめは、荒れる波間に転覆した赤い船を目撃し、王に報告する。この出来事を通じて、自らの力で生き抜くことの重要さを王が悟り、翌年以降の船の出航を見合わせるに至る過程を描く。

小川未明

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🎧 赤い船とつばめ / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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ある日の晩方、赤い船が、浜辺につきました。その船は、南の国からきたので、つばめを迎えに、王さまが、よこされたものです。

長い間、北の青い海の上を飛んだり、電信柱の上にとまって、さえずっていましたつばめたちは、秋風がそよそよと吹いて、木の葉が色づくころになると、もはや、南の方のお家へ帰らなければなりませんでした。寒さに弱い、この小鳥は、あたたかなところに育つように生まれついたからです。

王さまは、もうつばめらの帰る時分だと思うと、赤い船を迎えによこされました。つばめたちも、船に乗りおくれてはならぬと思って、その時分には、海岸の近くにきて、気をつけていました。そして、波間に、赤い船が見えると、

「キイ、キイ……。」といって、喜んで鳴いたのです。

早く見つけたつばめは、それをまだ知らない友だちに告げるために、空高く舞い上がって、紺色の美しい翼をひるがえしながら、

「赤い船がきましたよ。さあ、もう私たちは、立つときです。どうか、遠方にいるお友だちに知らせてください。」といいました。

なかには遠いところにいて、まだ知らずにいるものもありました。そういうつばめは、村に他のいいお友だちができて、「まあ、まあ、そんなに急いで、お帰りなさることはない。」といわれて、引きとめられているつばめたちであったのでした。

赤い船は、浜辺に四日、五日、とまっていました。そして、四方から、毎日のように集まってくるつばめを待っていました。もう、たくさんつばめが船に乗って、最後には、ほばしらの上まで止まって、まったく、はいる席がなくなった時分、静かに海岸をはなれたのです。

たいていは、月のいい晩を見はからって、出発しました。なぜなら、長い海の上をゆくには、景色が見えなければ、退屈であるし、また途中から、船をたよって、飛んできて加わるものがないとはかぎらなかったからです。

あるとき、一羽のつばめは、船に乗ろうと思って、遠いところから、急いで飛んできましたが、すでに船の立ってしまった後でした。

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