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TORENDIA

芸術は革命的精神に醗酵す

本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

資本主義社会における芸術のあり方を論じる。享楽や娯楽として成立してきた従来の芸術観を批判し、社会生活の根源に疑いを抱かない旧来の芸術家たちの姿勢を糾弾する。そして、階級闘争が必然であると説き、資本主義文明の破壊から始まる人類の飛躍を目指すべきだと主張する。芸術を「革命の炎」と定義し、プロレタリアートと共に歩むべき芸術家の闘争的態度と社会変革への参加を強く求める。

小川未明

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🎧 芸術は革命的精神に醗酵す / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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平和を目的にして、武器が製造せられ、軍備がなされるならば、其の事が既に、目的に対する矛盾であることは、華府会議の第一日にヒューズが言った通りであります。

私達は、黒人に対する米人の態度を見、また印度の殖民地に於ける英人の政策を熟視して、彼等が真に人類を愛する信念の何れ程迄に真実であるかを疑わなければならないが、そして、このたびの軍備縮小などというが如き、其の実、戦争を予期しての企てに対して、却って、其の正義人道を看板に掲げた底に潜む、資本主義的精神の狡猾を憎まざるを得ないが、ヒューズの言った言葉だけを、それだけとして考えた時は、たしかに真理を言ったことを感ぜずにいられません。

文芸が趣味であり、また、単に自己享楽のためであり、若しくは、芸であると解する人々は、いかに理窟を言っても、根性の底に、昔の幇間的態度の抜けないのを見る。それは文芸の隆盛な時代は、大概太平な時代であったからである。そして、芸術が享楽階級の用立とされていたからでもある。徳川時代の戯作者は、その最もいゝ例である。

人情の機微を穿つとか、人間と人間の関係を忠実に細叙するとかいうのも、この世の中の生活様式を其の儘肯定しての上のことである。彼等は、この社会生活、そのものゝ原因に対しては疑わなかった。それを疑うことは、怖しいことゝして来た。圧搾せられたる版図に於て、自由を求めた。恨みを述べた。そして人生というものを宿命的のものに強いて見ようとつとめた。

「芸術は革命的精神に醗酵す」という宣言の下に生れた芸術とは、全く選を異にする。一つは、太平時代の産物であり、装飾であり、娯楽であり、後者は、闘争的精神から生れた叫びである。純然行路を異にするのは、それがためであります。

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