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TORENDIA

チャンプルー

本文約2,800字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

泡盛屋で提供されるミミガーやアシティビチ、チャンプルーといった琉球料理について綴る随筆。著者は、戦前の泡盛屋とは異なる、現在のような琉球的で濃厚な雰囲気が味わえる食の様子を紹介する。特に、材料が身近で作り方が単純なチャンプルーの調理法や、ゴーヤー、へちま、とうがんなどの食材の味わいについて解説する。また、糸満の飛魚や山羊料理、各種塩辛など沖縄独自の食習慣に加え、民謡に登場する魚についても言及する。

山之口貘

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🎧 チャンプルー / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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このごろの泡盛屋では、琉球料理を食べさせるようになったので琉球出身のぼくなどにとっては何よりである。戦前の泡盛屋では、泡盛だけが琉球で、つまみものなどはほかの飯屋と変わらなかったが、いまは簡単な琉球料理があって、琉球的な雰囲気が濃厚である。

こころみに、ある泡盛屋ののれんをくぐると、ミミガーとか、アシティビチとかチャンプルーとかいうのが、眼につくわけである。むろん初めての客には、見当のつかない料理名なのである。折角、泡盛をついでもらっても、さて、つまみものとなると、さっぱりわからないので、結局、「ミミガーってのはなんだい」ときいてみるより外には手がないのである。

ミミガーは、一般家庭ではあまり食べなかった。沖縄では辻町の料理屋あたりでは、酒の肴としていつでも食べられたのである。ミミガーは、一口に云えば豚の耳の料理である。食べたことのない人は、耳ときいただけで、そっぽを向いたりするものもあるが、まず、食べてみることが肝心なのである。

その証こには、ミミガーを食べさせる泡盛屋に来て、それを食べないものは、まずないといってもよいからなのである。よくゆでた耳を、うすくきざんで、大根おろしといっしょに三杯酢にしたものである。こりこりして、なかなかさっぱりしたものである。

アシティビチというのは、豚の足の料理である。云わば、足の吸物である。これは一般の家庭でも適当に食膳にのぼってくる料理である。しかし、それらのものよりも、もっと一般的な生活に即した料理としては、なんと云ってもチャンプルーである。

普通、油いためしたものをチャンプルーと云うのである。その種類には、ゴーヤー(れいし)チャンプルーがあり、ビラ(ねぎ)小チャンプルー、マーミナ(もやし)チャンプルー、チリビラー(にら)チャンプルーなどがある。それらは野菜である。外にトーフ(豆腐)チャンプルーがある。しかし、どのチャンプルーの場合でも、大ていトーフはいっしょである。

チャンプルーは、その材料が日常の手近にあるものばかりであり、作り方も非常に簡単で、その場で誰にでも出来るもので、単純素朴のあっさりとした味がよいのである。

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