家じゅうの人たちは、なんと言ったでしょうか? まずさいしょに、マリーちゃんの言ったことを聞きましょう。
その日は、マリーちゃんのお誕生日でした。マリーちゃんにとっては、いちばん楽しい日のような気がしました。小さなお友だちが、大ぜいあそびにきました。マリーちゃんは、いちばんきれいな着物を着ました。その着物は、いまでは神さまのところにいらっしゃるおばあさまから、いただいたものでした。おばあさまは、明るい美しい天国にいらっしゃるまえに、自分でこの着物をたって、ぬってくださったのです。
マリーちゃんのお部屋の机の上は、いろんな贈り物で、ピカピカかがやいていました。たとえば、この上もなくかわいらしいお台所。それには、ほんとのお台所にいるものが、のこらずついていました。それから、お人形。このお人形は、おなかを押すと、目をくるくるまわして、キューッ、と、いいました。そのほか、すてきにおもしろいお話の書いてある絵本もありました。もっとも、それには、字が読めなければ、だめですけど。
けれども、どんなお話よりももっとすてきなのは、お誕生日をたくさん、むかえることでした。
「ええ、一日一日、生きていくことが、とっても楽しいわ!」と、マリーちゃんは言いました。名づけ親がそれを聞いて、これこそ、いちばん美しい物語だと、言いました。
おとなりの部屋を、ふたりのにいさんが、歩いていました。ふたりとも、大きな子で、ひとりは九つ、もうひとりは十一でした。このふたりも、一日一日が、とっても楽しそうでした。といっても、マリーちゃんのような、小さい子供ではありませんから、その生きかたも、マリーちゃんとはちがっていました。
ふたりは、元気のいい小学生で、学校の成績は、「優」でした。毎日、友だちとふざけて打ちあいをしたり、冬にはスケートをしたり、また夏には自転車を乗りまわしたりしました。それから、騎士城や、引上げ橋や、城内のろうごくの話を読んだり、アフリカ奥地の探検の話を聞いたりしました。