すずの兵隊さん
本文約5,700字 ・ 読了時間 約12分
あらすじ(AIが作成しました)
一本足のすずの兵隊さんは、テーブルの上で出会った紙の踊り子に恋心を抱く。持ち主の男の子の手を離れ、窓から落ちた兵隊さんは、紙のボートに乗せられ、どぶを流されて魚に飲み込まれるという数奇な旅を経験する。やがて台所に戻り踊り子との再会を果たすが、突然ストーブの中に投げ込まれる。炎の中で溶けていく兵隊さんのもとへ踊り子も舞い込み、二人は運命を共にする。すず製であることの誇りと一途な愛を貫く姿を描く。
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あるところに、二十五人のすずの兵隊さんがいました。この兵隊さんたちは、みんな兄弟でした。なぜって、みんなは、一本の古いすずのさじをとかして作られていましたから。
どの兵隊さんも、鉄砲をかついで、まっすぐ前をむいていました。着ている赤と青の軍服は、たいへんきれいでした。兵隊さんたちは、一つの箱の中に寝ていたのですが、そのふたがあけられたとき、この世の中でいちばん先に耳にしたのは、「すずの兵隊さんだ」という言葉でした。
そうさけんだのは、小さな男の子で、うれしさのあまり、手をたたいていました。その子は、誕生日のお祝いに、すずの兵隊さんたちをもらったのです。
男の子は、さっそく、兵隊さんたちを、テーブルの上にならべました。見ると、どの兵隊さんも、とてもよく似ていて、まるでそっくりです。ところが、中にひとりだけ、すこし変ったのがいました。
かわいそうに、その兵隊さんは、足が一本しかありません。それというのも、この兵隊さんは、いちばんおしまいに作られたものですから、そのときには、もうすずが足りなくなっていたというわけです。でも、その兵隊さんは、一本足でも、ほかの二本足の兵隊さんたちに負けないくらい、しっかりと立っていました。
では、この一本足の兵隊さんについて、これからおもしろいお話をしてあげましょう。
兵隊さんたちのいるテーブルの上には、ほかにもまだ、いろんなおもちゃがおいてありました。いちばん目につくのは、紙でつくった、きれいなお城でした。小さな窓からは、中の広間も見えます。お城の前には、小さな木が、何本か立っていました。その植えこみにかこまれて、小さな鏡がありました。これは池のつもりなのです。池の上には、ろうでできたハクチョウが、幾羽もあそんでいて、そのまっ白な姿が、池の上に美しくうつっていました。なにもかも、ほんとうにかわいらしく見えました。