イーダちゃんのお花
本文約9,600字 ・ 読了時間 約20分
あらすじ(AIが作成しました)
しおれてしまったお花を悲しむ少女イーダは、学生から「夜になるとお花たちが舞踏会を開いている」という不思議な話を聞く。その夜、イーダは部屋で踊る花々の姿を目撃する。翌朝、お花たちは動かなくなり、イーダは人形のソフィーと共に、いとこのヨナスとアドルフに手伝ってもらい、庭にお花を埋めて葬儀を行う。お花が再び咲くことを願いながら、子供たちが空想と現実の間で体験する物語を描く。
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「あたしのお花がね、かわいそうに、すっかりしぼんでしまったのよ」と、イーダちゃんが言いました。「ゆうべは、とってもきれいだったのに、今は、どの花びらも、みんなしおれているの。どうしてかしら?」
イーダちゃんは、ソファに腰かけている学生さんに、こうたずねました。イーダちゃんは、この学生さんが大好きでした。だって、学生さんは、それはそれはおもしろいお話を、たくさんしてくれますからね。それに、おもしろい絵も、いろいろ、切りぬいてくれるのです。たとえば、ハート形の中で、かわいらしい女の人たちがダンスをしているところだの、いろいろなお花だの、それから、戸のあいたりしまったりする大きなお城だのを。ほんとうに、ゆかいな学生さんでした!
「きょうは、お花たち、どうしてこんなに元気がないの?」と、イーダちゃんは、もう一度聞きながら、すっかりしおれている花たばを見せました。
「うん、お花たちはね、気持がわるいんだよ」と、学生さんは言いました。「みんな、ゆうべ、舞踏会へ行っていたんで、きょうは、くたびれて、頭をぐったりたれているのさ」
「でも、お花は、ダンスなんかできやしないわ」と、イーダちゃんは言いました。
「ところが、できるんだよ」と、学生さんは言いました。「あたりが暗くなってね、ぼくたちみんなが寝てしまうと、おもしろそうにとびまわるんだよ。毎晩のように、舞踏会を開いているんだから」
「その舞踏会へは、子供は行けないの?」
「行けるとも」と、学生さんは言いました。「ちっちゃなヒナギクや、スズランだってね」
「いちばんきれいなお花たちは、どこでダンスをするの?」と、イーダちゃんがたずねました。
「イーダちゃんは、町の門の外にある、大きなお城へ行ったことがあるだろう。ほら、夏になると、王さまがおすまいになるところ。お花がたくさん咲いているお庭もあったじゃないの。あそこのお池には、ハクチョウもいたね。イーダちゃんがパンくずをやると、みんな、イーダちゃんのほうへおよいできたっけね。あそこで舞踏会があるんだよ。ほんとうだよ」