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TORENDIA

浅草風土記

本文約161,300字 ・ 読了時間 約323分

あらすじ(AIが作成しました)

浅草で生まれ育った筆者が、変容を遂げゆく故郷の街並みや自身の記憶を綴る。かつての風景を彩った店や横丁が失われ、カフェや映画館が並ぶ現代の姿に戸惑いつつも、往時の面影を残す老舗や慣れ親しんだ人々の存在に郷愁を抱く。著者は深川の記憶や、戦争を経て変化した浅草寺周辺の情景を重ね合わせながら、再びかつての面影を取り戻しつつあるこの土地への愛着と、そこへ帰還を促す知人からの便りに対する複雑な感慨をありのままに描く。

久保田万太郎

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雷門以北

広小路

一

……浅草で、お前の、最も親密な、最も馴染のふかいところはどこだときかれれば、広小路の近所とこたえる外はない。なぜならそこはわたしの生れ在所だからである。明治二十二年、田原町で生れ、大正三年、二十六の十月までわたしはそこに住みつづけた。子供の時分みた景色ほど、山であれ、河であれ、街であれ、やさしくつねに誰のまえにでも蘇生って来るものはない。――ことにそれが物ごころつくとからの、わたしのような場合にあってはなおのことである。

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