ぶくぶく長々火の目小僧
本文約11,600字 ・ 読了時間 約24分
あらすじ(AIが作成しました)
ある王国の王女は、三晩寝ずの番をして自分を見守り抜くという条件で結婚相手を募る。多くの挑戦者が失敗する中、ある王子が不思議な能力を持つ三人の家来を伴い挑戦を志す。体を超巨大化させるぶくぶく、天まで手が届き一歩で一里を進む長々、目から火を噴く火の目小僧の助力を得ながら、王子は王女を部屋から出さないという難題に挑む。王女の魔法による妨害に苦戦しつつも、三人の能力を駆使して王女を守り抜き、無事に婚礼を挙げる物語を描く。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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一
これは昔も昔も大昔のお話です。そのじぶんは今とすっかりちがって、鼠でも靴をはいて歩いていました。そして猫を片はしから取って食べました。ろばも剣をつるしていばっていました。にわとりは、しじゅう犬をおっかけまわしていじめていました。
こんなに、何でもものがさかさまだったときのことですから、今から言えば、それこそ昔も昔も大昔の、そのまたずっとずっと昔のお話です。だから、いろんなおかしなことばかり出て来ます。しかし、けっしてうそではありません。
そのころ或国の王さまに、美しい王女がありました。その王女を世界中の王さまや王子が、だれもかれもお嫁にほしがって、入りかわりもらいに来ました。
しかし王女は、どんなりっぱな人のところから話があっても、厭だ、と言って、はねつけてしまいました。
世界中の王さまや王子たちは、それでもまだこりないで、なんども出かけて来ました。
王女は、うるさくてたまらないものですから、とうとうお父さまの王さまに向って、
「ではだれでも三晩の間、私をお部屋の外へ出さないように、寝ずの番をして見せる人がありましたら、その方のお嫁になりましょう。」と言いました。
王さまはさっそくそのことを世界中へお知らせになりました。そのかわり、もし途中で少しでもい眠りをすると、すぐにきり殺してしまうから、そのつもりでおいで下さいとお言いになりました。
すると方々の王さまや王子たちは、何だ、そんなことなら、だれにだって出来ると言って、どんどんおしかけて来ました。
ところが、夜になって、王女のお部屋へとおされて、しばらく王女の顔を見ていると、どんな人でもついうとうと眠くなって、いつの間にかぐうぐう寝こんでしまいました。それで、来る人来る人が、一人ものこらず、みんな王さまにきり殺されてしまいました。
すると、或王さまのところに、鹿のようにきれいな、そしてたかのように勇しい、年わかい王子がいました。この王子がその話を聞いて、私ならきっと眠らないで番をして見せる、一つ行ってためして来ようと思いました。